僕らも。

興奮冷めやらぬ朝を迎えた。サッカー日本代表が見事にW杯決勝トーナメントに駒を進めた。ほんの数週間前には考えられなかったことと言って良い。予選の最終戦も強豪。過去3回しかW杯には出場していないが(日本は4回目)、そのすべてで決勝トーナメントに進んでいる。ころころ代わってしまった日本の監督と違い、デンマークの監督は、すでに10年目なのだという。強豪並み居るヨーロッパ予選ではポルトガルやスウェーデン(欧州予選で敗退)を抑えてグループリーグを一位で通過。間違いなく勝負強いチームだった。

何回も日本代表の試合を見ているので、今回も大いに期待しつつ、前半の15分から25分くらいに、ちょっとしたマークのズレで失点するのでは…という不安もあったが、それをしのぎきり、おそらくほぼデンマークの中ではノーマークであったFKを立て続けに2本決めた。その後のFKも非常に惜しかった。PKについてはよほどオランダ選の長友選手のほうがPKに値すると思ったが、その後に3点目をとったところが、これまでに無いところだった。

そんな興奮を胸に、いつもは込み合う京葉線に乗り込み、TV観戦の勢いそのまま、仕事場に来てしまった。

それにしても、日本はその国民性をいかんなく発揮したように思う。組織的な守備についての評価は、試合を重ねるごとに高くなったが、自分は、各選手の頭の良さを強く感じた。カメルーン戦の決勝点となったアシストは、松井選手が突破して何度も右足でクロスを上げていたのを、あの時だけ、左足で振り切った。今日のデンマーク戦では、本田選手のFKの残像が、相手選手全員にあった隙を突いて、遠藤選手が決めた。世界的にはまったくと言って良いほど知名度の無い遠藤選手に、そんなFKがある、とはデンマーク選手は誰も思っていなかったに違いない。前日に韓国の選手がコメントした「ジャブラニは軽く蹴るくらいが良い」というアドバイスも効いていたかもしれない。随所に見せた残り時間を有効に使う手段。相手陣内でのパス回しや、攻め込まれているときにファウルをもらう仕草。どれもドーハの悲劇の時には見られなかった実に巧妙なプレイだった。

また選手たちを支えるスタッフさんたちも素晴らしいと聞く。それこそ何十人というスタッフと非スタッフが、南アフリカ各地に趣き、各国の試合だけでなく、ホテルや練習グラウンドを視察している。日本の強みは、そんなスカウティングにもあると思う。トルシエ元監督が「今の日本はジンバブウェ戦の後に出来たチーム。いくつもの試合を重ねて、このフォーメーションを固めた岡田監督の判断にブラボーを送りたい」とコメントしていたが、まさにその通りで、各国が日本の今のチームについて分析し切れていないのも追い風となっているように思う。

日本選手の国際化も興味深い。散々苦しめられたデンマークのトマソン選手は、小野伸二選手がオランダのフェイエノールトにいたときの良きパートナーであったし、オランダのファンマルバイク監督は当時フェイエノールトの監督だった。カメルーンのGKはエスパニョールで中村俊輔選手のチームメイトだったし、デンマークのリーグには川口能活選手が所属していた時期もあったし、相手のロンメダールとは本田選手がオランダリーグで何度か対戦し苦杯を舐めていた。そんな選手たちが、現代表に情報をリークしていたのは間違いなく、その甲斐あって長友選手は、ほとんどロンメダール選手に仕事をさせなかった。

次はパラグアイ。南米のチームは、今大会で実に好調で、ブラジル、アルゼンチンは言わずもがな、中堅どころのチリやウルグアイも全て堅守と決定力を持ち勝ち上がってきている。オランダやイタリアのほうがよほどやりやすかったのかもしれない。パラグアイといえば、ヴェルティで一世を風靡した武田選手や、広山望選手が居た。そんな情報源も持つようになったのだから、日本のサッカー界も本当に進んだものだ。

翻って我ら。松屋銀座店は5年間の積み重ねで、野菜惣菜と野菜の売場を持つ旗艦店として、確固たる地位を築きつつある。銀座店のモデルをそのまま踏襲した形で始めた2号店、西武池袋店は、私自身のMDの失敗を経て、苦しみながらも、野菜惣菜をメインにした業態に変化し、現場スタッフの我慢と頑張りとアイディアで、結果を出している。今年2月2日に始まった東急たまプラーザ店も、多くのお客様に支持されてきたが、7月末までの期間限定催事で終わるのか、その後も継続できるのか、正念場に来ている。東の横綱と呼ばれる伊勢丹新宿店での催事も、りょくけんとしては新たな取り組み、かつ、弊社にしか出来ない、素材屋を提案できつつある。

みんな、勝負どころだ。

日本代表ではないが、個々の能力をそれぞれにアップさせつつ、力を結集し、チームワークで、このやりがいのある仕事を高めて行きたい。

農家の皆さんが安心して美味しいものをつくり、それを運び、紹介し、お客さまも「美味しい」と喜んでいただけるように。

「日本が、世界で一番美味しい野菜くだものを食べている国」と言われるように、精一杯、尽力していきたい。

 

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