秋の夜長に

日曜日に資格試験があり、お休みの今日は、試験に向けて一日、机に向かっている。

そんな机の上に、一通の手紙が、ここしばらく陣取っている。

数日前のことだ。銀座店の料理長から入電。

「農家さんから手紙預かってます。なすの箱に一緒に入っていたんで。今度、お店に来るときまで大切にしておきますね」

お店のスタッフの皆様へ



今シーズン大変お世話になりました
あっという間にシーズンが終ってしまいました
本当にありがとうございました。
我が家 石原農場は苺園です
来年一月よりオープン致しますのでぜひ皆様で
苺を食べにいらして下さい。
大サービス致します。
又逢う日まで!!ありがとうございました。


山梨甲府の石原のお母さんからだった。今期から、焼きなすとなす畑に一目惚れしてお取引をお願いした農家さんだ。

「電話で頼まれたって、(取引)するかしないかなんて決めらんないよ。」 最初は半ば門前払いに近かった。初めてお伺いしたときも、ちょうど苺のハウスを片付けているときだったっけ。

販売スタッフさんはもちろん、厨房やお客様にも大好評だった、石原お母さんのなす。皮がやわらかく果肉に甘みがあり、変色しない。皮の色落ちも無い。そんな夢みたいな なすだった。

10月には、石原さんご自身に、銀座店までご来店いただき、お客様と会話を交わしたと後から聞いた。「このなす美味しいのよ。皮がやわらかいのに、肉質が水っぽくないし、加熱しても縮まないの。」お客様からそう言われて本当に嬉しかった、おっしゃっていた。

「来年の3月ごろなら、少し暖かくもなって、生まれたお子さんも連れてこられるでしょ。苺を食べにいらっしゃい。」

そんなとってもありがたい、あたたかなお電話もくださった。

りょくけんは、お客様と農家さんをつなぐメッセンジャーでありたい。

まだまだ未熟ではあるが、、、少しは、、、ちょっとは、、、そんな風に

―なれてる。なんて思っても良いのかな。

 

偉大なる篤農家 亡き石原慶吉さんに心からの敬意を表すとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。



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