たまごの話1 ~たまごは価格の優等生~

「たまごは価格の優等生」
と言われる。

戦前と戦後の価格差が少ないためだ。

インフレーションがすごかったこの時代において、この事実は脅威である。

戦前、たまごは高級品だった。
戦後、相次ぐ技術革新で、たまごの価格は安価に抑えられ、上記の事実に結びついた。

野菜やくだものに対する農薬や肥料についてはよく伝えられているように思うが、たまごについてはさほどでない。

技術革新とは、たまごにとっての農薬や肥料の革新に他ならない。
つまり
◎農薬=親鶏への抗生物質
◎肥料=親鳥への飼料
が、産卵量を増やす方向に進んだのである。

鶏が病気や害虫に侵されないように、抗生物質を投与している。
これにより、鶏舎内の病気が減り、採算が上がった。

どの飼料=えさを与えれば、産卵量が増えるのかが分かってきた。
動物性の油分を含むものを与えると産卵量が増える。
最初に導入されたのが、雑魚と呼ばれるような魚をすりつぶし粉にしたもの=魚粉だった。
輸出入が盛んになるにつれ、えさは、国を越え、海外から運ばれるようになり、安価なえさが手に入るようになった。

今一つは、品種改良である。
鶏の品種改良が進んだのだ。プリマス種という豊産の鶏が開発され、また、そのプリマス種との交雑により優れた鶏が生み出された。

これも、野菜くだものの世界と似ている。

こうした技術革新により、戦前は高級食品だったたまごは誰もが手にすることができる食材になった。
余談だが、私の周りの、いわゆる団塊の世代より上の方たちは、本当にみんな卵が好きである。
ある種、憧れすら感じるときがある。

上述したような背景を知り、合点がいった。

たまごは、必須アミノ酸を含み、”完全栄養食”と高く評価される食品。
かつ価格の優等生。
子を持つ親としても、絶対に食べさせたほうが良いと思う。

ところが、そんな状況も少し変わってきた。

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