大手ポテトチップスメーカーの報道を見て

出島(でじま)。
「りょくけんのじゃがいもは大丈夫なの!?」というお声を頂戴した。

カルビーさんや湖池屋さんなど、大手のポテトチップス業界が、一部のポテトチップス販売を中止あるいは休止にしたためだ。
確かに2016年は、かなりの旱魃(かんばつ)の後、台風に見舞われ、北海道のじゃがいもは不作だった。

特に、カルビーさんと契約していたじゃがいも農家への影響は少なくなかったと聞く。

とはいえ、北海道は広い。
あまり認識されていないかもしれないが、関東の一都六県を合わせた面積よりも、ずっとずっと広い。

りょくけんが契約する新十津川の廣田さんのじゃがいもは、ほぼ被害がなかった。
問題は、全体の量は減ったから、若干ではあるが、市場価格が上がったことだ。

カルビーさんほど大手になれば、独自のポテトチップス向けの品種を持っており(揚げても変色しにくい、大きい、等)、かなり安価な条件で農家さんと契約している。
不作になり、契約量を満たさなかった場合は、市場流通しているもので手配するだろうが、2016年は価格が上昇したため、契約単価と市場価格の隔たりが大きく、手当もしづらかったのだと思う。

りょくけんでは、すでに北海道産の販売を終え、沖永良部(おきのえらぶ)の新じゃがを取り扱っているので、数量が不足するということはない。

◎北海道は広い。

そのため、機械化がしやすく、冬の雪で病害虫がリセットされるので、農薬を減らすこともでき、欧米並みの大規模農業が可能だ。
したがって、総じて、他産地よりも農産物が安価だ※。

※輸送費は高くなるが、鉄道などで大量に運ぶことで安価に抑えられる。

だから、九州などから出る新じゃがは、ポテトチップスの原材料としては、まったく購入できない。
市場価格ですら、北海道産のじゃがいもと九州産のじゃがいもは、3倍は違う。
例えば、10㎏ 1000円を切るくらいが北海道のじゃがいもの相場観だが、九州の新じゃがは3000円を下らない。
そのくらい経営効率が違う。

また、現在主流の「にしゆたか」という早出しのじゃがいも品種は、生長が早い一方で、水分が多く、ポテトチップスには向かない。
揚げることで縮んでしまう。

ちなみに、りょくけんで扱う新じゃがは、出島(でじま)。
新じゃがの名産地の一つ、長崎で生まれた品種で、暖かい場所でも、北海道のじゃがいも並みの食味を、と開発された品種。
ホクホクとして、この時期に出回るじゃがいも品種ではピカイチの品質を誇る。

ただ、にしゆたかよりも生長が遅いため、最近では本当に栽培されなくなってしまった。

赤土の島、沖永良部で育った、新じゃが「でじま」。
この機会にぜひ召し上がってほしい。

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