さしすせその「さ」

きび砂糖について質問があった。
黒砂糖を粉末状にしたものを指している。

りょくけんベジデリカでも、こちらを使用している。
黒砂糖は料理が黒くなる、というデメリットはあるものの、そこまで着色しないし、メリットのほうが大きい。

北海道のてんさいを使用した砂糖=てんさい糖もあるが、私はきび原料にこだわっている。

てんさいは、甜菜と書き、別名をサトウダイコンという。
アカザ科の植物で、ほうれん草と同じ仲間である。
そのものを食べても、アクが強く、さして美味しくない。
冬の寒さにあたったほうれん草の根っこは甘い。
糖度が18度にもなるから、なるほど精製すれば、砂糖にもなることも納得ができる。

「砂糖の世界史」という本を、学生のときに読んだことがある。
ヨーロッパ諸国が、大航海時代に砂糖を求めて海外に向かい、アフリカ諸国や南米諸国を自分たちの世界に引き込んでいった歴史。

そこでもわかるが、砂糖は暖かい国のもので、「サトウキビ」からできるのが普通の流れであった。
甜菜は、ロシアなど寒い国が、努力を重ねて、サトウキビの代替物として広げていった背景がある。

日本でも同様の背景がある。

国産の砂糖の自給率を上げるため※、狭い畑が多い沖縄や南西諸島ではなく、広大な大地を持つ北海道の甜菜栽培に国は力を入れているように思う。
作付けには補助金も出ている。

植えておけばお金が入るので、どの畑を見ても、サトウダイコンの栽培にはこだわりが感じられない…。
普通に農薬をまいて、収穫して、製糖工場に収めることで一定の収入があるからだ。

かといってサトウキビの栽培にこだわりがあるかというと…。

そうでもない。
沖縄でも、植えているだけになってきた。
傾向的に多肥料で、サトウキビ自体に力がなくなってきている。

そこで目を付けたのが、徳之島。
鹿児島県の離島の一つで、沖縄本島のすぐ北に位置する島である。
農業が盛んで、赤土の島で、じゃがいもも美味しい。

ここでできたサトウキビを黒砂糖にして粉末にしたものを、りょくけんでは使っている。
独特のコクがあり、黒糖のわりには色があまり付かない。

砂糖自体も店頭で販売しているので、ぜひ試してほしい。

※そのおかげで、砂糖の自給率は3割ある。

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