国産モッツァレッラ;水牛あり、都内産あり、醍醐味あり、

答えは、やっぱり日持ち。

現地のモッツァレッラチーズは、日本に輸入されているものほど塩味が強くない。
フレッシュチーズの代表格であるモッツァレッラは、ほとんど塩味がなく、作ってからすぐ2~3日で食べる類のもので、日本で言う”豆腐”みたいな認識なのだそうだ。

それが、はるばる日本に輸出されるために、塩が加わる。
これは保存性を高めるためだそうで、特に、モッツァレッラチーズが浮かんでいるホエイ(乳清)に塩が加えられ、日本に届く頃には、あの塩味が着く。

日本のチーズ職人さんたちは、現地のモッツァレッラの味を知ってもらおうと、ああいう塩加減にするわけだ。

私が気になったチーズ屋さんは4件。

北海道湖水地方で、なんと水牛のミルクから作るモッツァレッラがあった。
ただ、やっぱりちょっと高価で、手が出ない。
正直、水牛と乳牛の原料の違いで、さほどチーズの味にも差が出ない、とも思っている。

東京でも、モッツァレッラがある。
ある意味、その考えは正しくて、もっとも消費されるであろう都内で、チーズを作って、鮮度重視で提供するのは利にかなっている。
原料のミルクも東京産。
東京の西側では、以外に牛乳が多く生産されているのだ。
さらに言えば、モッツァレッラチーズ作成キットまで販売していて、半加工されたチーズがあって、お湯を用意して練り上げることも可能だった。
銀座の厨房で作りたてのモッツァレッラを、りょくけんのトマトとあわせてカプレーゼとして提供できれば、かなり魅力的だとも思った。

いろいろ理由はあるが、賞味期限などの衛生の問題と、”手間”の問題で、今回は見送った。

寒い地域の牛乳のほうがよいので、安直に北海道のものを、とも思っていたが、意外に西日本にも、チーズ職人が多い。
関西であれば、作って翌日には東京に着くので、鮮度も差が出ない。

愛媛県内子にある”醍醐”さんはかなり興味があった。
フェルミエスタイルで、自社の運営する牧場で、ほぼ放牧で育った牛のミルクを、牧場に隣接する工場で、チーズに加工している。
標高が高いので、気温も低く、乳脂肪分が安定する。
醍醐味という言葉があるが、もともと、”醍醐”とは、奈良時代や平安時代につくられたチーズのようなものだったらしい。
とても美味しいものとされ、転じて醍醐味という言葉が生まれた。

でも、気になることもある。
調べてみたら、この業界内の複数の大手に納品されているのだ。

それではつまらない。

そうして選んだのが、広島の「農吉」さんである。

コメント

人気の投稿